カードローンの比較と注意点
・カードローンとは
カードローンとは銀行等の金融機関、消費者金融会社、クレジットカード会社などが取扱うカードにより借入れが行えるローンのことです。
まずはカードローンのメリットとデメリットを見ていきましょう。
・カードローンのメリット
カードローンは銀行や貸金業者などの金融機関が提供している個人向けの融資サービスです。
大きく以下のメリットがあります。
1.お金の使い道が自由
マイカーローンや住宅ローンのように使い道が限定されているものとは違い、お金の使い道は自由です。自身の入院や冠婚葬祭などが重なり、今月ちょっとピンチ!というときなどに便利に利用できます。
ただし、事業資金に使うことはできないので注意が必要です。
2.保証人や担保が不要
多くのカードローンは担保や保証人が不要です。そのため、担保になるものを持っていなくても、誰かに保証人になってもらわなくてもお金を借りることが可能です。
3.初期費用が無料
入会金や年会費などは無料です。他のローンには申し込みの際に収入印紙などを購入しなければならなかったり、事務手数料を払わなければならないものもありますが、カードローンの場合は初期費用がかかりません。
4.銀行やコンビニのATMで借り入れ、返済が可能
わざわざ窓口まで出向かなくても、銀行やコンビニのATMから借り入れや返済が可能なので、かなり便利です。
5.利用限度額内であれば何度でも借り入れが可能
例えば利用限度額が100万円の場合、60万円を借り入れした後、さらに40万円までの借り入れが可能です。
6.クレジットカードのキャッシング枠よりも金利が低い
クレジットカードにもキャッシング枠があります。多くは金利が法律の最大利率、年18%に設定されています。カードローンの場合、最大年14.5%に設定されているものが多く、クレジットカードでお金を借りるよりも低い金利に抑えることができます。
・カードローンのデメリット
1.金利が高い
金利は借入額によって異なります。カードローンの金利の多くは1.4%~15.0%ぐらいです。
金利は借入額によって変動します。多く借りればそれだけ高い金利で借りることになります。
2.他のローンの審査へ影響する場合がある
住宅ローンやマイカーローンなど、他のローンの審査へ影響する場合があります。
カードローンの利用情報は信用情報機関に登録されるので、カードローンを過度に利用していると、他のローンが利用できなくなることも有り得ます。
3.返済期間が長期化する可能性がある
返済金額を低めに設定すると、利息の支払いが増えるばかりか、元本もなかなか減らないため返済が長期化することもあります。
4.借り入れ癖がつく場合がある
ATMで簡単に借りられるため、借り入れを繰り返すこともあります。
・カードローン利用の流れ
申し込みから返済までの流れです。
1.利用するカードローンを選ぶ
2.店頭、インターネット、無人契約機、電話などから申込む
3.審査を受ける
4.郵送などでローン専用カードを受け取る
5.ATMなどから借り入れる
6.返済する
上記が大まかな流れとなります。
・カードローンの選び方
1.金利
金利が低いほど支払額は少なく済みますが、利用限度額によって金利は異なります。希望の枠内で金利の低いカードローンを選びましょう。
2.申し込みのしやすさ
365日24時間申し込みができるインターネットが便利です。
また、特定の銀行口座が必要な場合もあり、口座開設に時間も手間も要することになります。
3.審査から融資までのスピード
審査では、氏名、住所、生年月日などの個人情報と、勤務年数、雇用形態、年収などの属性情報を記入します。
アルバイトの方でも審査可能なカードローンも多くあります。
定期的、かつ安定した収入があることが申し込みの条件になります。
カードローンで収入証明書が必要となる場合
申込みの際に必要となる場合
消費者金融などの貸金業者のカードローンを利用する際には「50万円を超える借入れ」または「他貸金業者からの借入れ金額との合計が100万円を超える借入れ」を申込む場合に収入証明書が必要になります。
また、上記の場合以外でも就業状況の確認などで貸金業者が必要に応じて収入証明書の提出を求められることがあります。
利用中に必要となる場合
すでにカードローンの契約を締結している場合でも、前回の収入証明書提出から3年が経過している場合や利用限度額の増額を申込む場合にはら収入証明書の提出を求められることがあります。
なお、審査にかかる時間は最短30分から最長一週間程度と、カードローンによって大きく異なります。
銀行が即日融資不可なのは、すべての申込者に対し反社会的勢力でないか警察庁データーベースに照会が必須であるためです。
4.臨時返済のしやすさ
カードローンの返済方法には、毎月決まった日に返済する約定返済のほかに、任意のタイミングで返済する臨時返済(繰り上げ返済)があります。
返済総額を減らすために早く返済を進めたい場合は、臨時返済(繰り上げ返済)の活用が重要です。
そのため、カードローンは臨時返済のしやすさもポイントになります。
臨時返済(繰り上げ返済)の方法は、金融機関によって異なりますが、ATMからの返済やインターネットバンキングなどで返済できると便利です。
そのときに利用手数料をかけずに返済できるかも大きななポイントです。
・人気のカードローンTOP10(順位と満足度は価格コム https://kakaku.com/card-loan/list/ より)
*2022年11月27日現在
(満足度は5点満点)
1位
三井住友カード カードローン(振込専用)
満足度 3.83点(6件)
特徴
金利(実質年率) 1.500%~14.400%
貸付限度額 最大900万円
融資スピード 最短即日融資
WEB完結 融資まで
2位
楽天銀行スーパーローン
満足度 4.05点(643件)
特徴
金利(実質年率) 1.900%~14.500%
貸付限度額 10万円~800万円
審査時間 最短即日(申込日当日)
融資スピード 申込日の3日以内
WEB完結 融資まで
3位
オリックス・クレジット ORIX MONEY
満足度 (1件)
特徴
金利(実質年率) 2.900%~17.800%
貸付限度額 10万円~800万円
審査時間 最短60分
WEB完結 融資まで
4位
アイフル キャッシングローン
満足度 3.88点(298件)
特徴
金利(実質年率) 3.000%~18.000%
貸付限度額 1万円~800万円
無利息期間 30日
審査時間 最短30分
融資スピード 最短即日融資
WEB完結 融資まで
5位
三井住友銀行 カードローン
満足度4.15点(81件)
特徴
金利(実質年率) 1.500%~14.500%
貸付限度額 10万円~800万円
WEB完結 契約まで
6位
レイクALSA
満足度 4.29点(34件)
特徴
金利(実質年率) 4.500%~18.000%
貸付限度額 1万円~500万円
無利息期間 180日
審査時間 最短30分
融資スピード 最短即日融資
WEB完結 融資まで
7位
JCB CARD LOAN FAITH
満足度 3.88(8件)
特徴
金利(実質年率) 4.400%~12.500%
貸付限度額 50万円~500万円
審査時間 最短即日(申込日当日)
融資スピード 申込日から1週間以内
WEB完結 融資まで
8位
満足度 4.08(555件)
特徴
プロミスのカードローン
金利(実質年率) 4.500%~17.800%
貸付限度額 1万円~500万円
無利息期間 30日
審査時間 最短30分
融資スピード 最短即日融資
WEB完結 融資まで
9位
満足度 3.82(218件)
特徴
プロミスのカードローン
金利(実質年率) 2.000%~14.000%
貸付限度額 10万円~800万円
WEB完結 融資まで
10位
満足度 3.80(528件)
特徴
アコムのカードローン
金利(実質年率) 3.000%~18.000%
貸付限度額 1万円~800万円
無利息期間 30日
審査時間 最短30分
融資スピード 最短即日融資
WEB完結 融資まで
カードローンを選ぶ際にはさまざまな角度から検討をするようにしてください。
・カードローン用語集
一部繰上返済(いちぶくりあげへんさい)
一部繰上返済は、借入金の一部を適宜返済すること。「期間短縮型」と「返済額減額型(返済額軽減型)」の2つがあります。将来支払うべき利息を大きく減らせる利息軽減効果が期待できます。繰上返済のルールや手続き、手数料などは金融機関によって異なるので、予め確認しておきましょう。
一括返済(いっかつへんさい)
借入(ローン)を分割ではなく一括で返済すること。資金に余裕のある時に利用残高をまとめて支払うことを指します。
おまとめローン(おまとめろーん)
複数のカードローンをひとつの大口のローンにまとめること。返済計画が立てやすくなるメリットがあります。金利を下げられることもあれば、上がることもあるため、じゅうぶんなシミュレーションをおこなった上で利用しましょう。
貸出金利(かしだしきんり)
融資金利や貸付金利とも言い利息の発生割合をいいます。日本の法律では実質年率を用いることが義務付けられています。
割賦(かっぷ)
ローンの返済元金や売買代金などを月賦などの形で数回に分けて支払うこと。分割払い。
キャッシング(きゃっしんぐ)
ローンカードやクレジットカードを使って小口の融資を受けること。金融機関のATMを利用
してローンを取組み現金を引き出すことが可能。
極度額(きょくどがく) = 限度額(げんどがく)
契約時に設定される最大限借入できる金額。限度額の範囲であれは自由に借入することができ、返済実績や信用状況に問題がない場合は、簡単な審査で限度額を極度額まで引き上げが可能です。
債権者(さいけんしゃ)
ローンの貸し手。ローンの契約により借り手である債務者に資金を提供し、債務者から契約に従って元利金の返済を受ける権利があります。
債務者(さいむしゃ)
債権者に対して、一定の給付義務をもつ人のことを言います。お金を借りた人で返済する義務を負う人を指します。
実質年率(じっしつねんりつ)
「実質年利」とも呼ばれ支払利息だけでなく全ての支払い(支払利息、手数料など)の合計額を年率で換算したものを言います。ローンの場合は金利に保証料を加えたものが実質年率に相当します。仮に金利が3.0%、保証料が1.5%の場合だった場合の実質年率は4.5%になります。
信用情報機関(しんようじょうほうきかん)
個人が金融機関から借入れた金額、返済状況、残高、融資件数などの情報を収集・管理し会員会社に提供する団体。銀行系・クレジット会社系・消費者金融業者系などがあり相互間の情報交換も行われています。
多重債務(たじゅうさいむ)
複数の金融機関や消費者金融・信販会社などから借り入れること。すでにある借金の返済のために別の業者からさらに借入れ、借金が増え続ける状態のことを言います。
遅延損害金(ちえんそんがいきん)
「延滞利息」や「遅延利息」とも呼ばれ、金銭債務の不履行の場合に弁済期が過ぎたことによる損害賠償として債権者に対して支払わなければならない金銭のことを言います。カードローンのローン返済においては、約定返済日に返済がなされなかった場合にペナルティーとして借主に課せられる支払金のことを指します。
年利(ねんり)
元金に対して一年間を単位として定めた利息の割合(年利率)を言います。
無担保(むたんぽ)
担保を提供しないこと。担保をとらないこと。
約定返済(やくじょうへんさい)
契約時点で「毎月○日にいくら返済する」というように取り決めをして、契約時に借主がこれに同意することになります(金融機関のローン契約約款(規定)に記載されています)。
リボルビング方式(りぼるびんぐほうしき)
カードローンなどについて利用者はその限度額内でカードを使用しますが、返済回数は決めず月々一定額、または残額に対する一定割合額などの形で返済していく方式です(リボルビング返済、リボ払い)。
~コラム~
法律事務所で働いた筆者の経験談。借りたお金を返さなかったらどうなるか。
筆者は法律事務所で督促の仕事をした経験があります。
あるクレジットカード会社(カードローン会社ではなかったです)が借入者(お金を借りた人 = 債務者)へ貸したお金を回収しようと複数回試みたにもかかわらず、回収できなかった場合にカード会社から法律事務所へ債権回収の依頼が来ます。
依頼を受けた法律事務所はクレジットカード会社(債権者)になり代わり、借入者に督促を行います。
そのクレジットカード会社のルールで、一人の借入者に対し一日3回まで手紙、電話、ショートメールなどで回収業務を行います。
先ずは、カード会社から法律事務所へ受任した通知(受任通知)を借入者宛てに郵便で送ります。
その郵便が届いた頃に借入者に電話をします。
基本的には、借入者の携帯電話に電話をして、借入者が電話に出た場合はそのまま会話を続けます。
内容は「返済はいつ頃、幾らずつになるか?」(最終的に分割払いは可能となります)という返済意思とスケジュールの確認の電話です。
電話に出なかった場合、留守番電話になるようでしたら折り返し電話を頂けるようにメッセージを残します。
それでも、折り返し電話がない場合は、借入者の自宅や会社へ電話をすることになります。(この場合でも一日3回を超えて電話を架けることはありません。)
このとき、家族や会社の人に「〇〇法律事務所」と名乗ることはなく、あくまでも個人名で電話を架けます。
例えば、田中法律事務所という法律事務所であれば「田中と申します」という具合です。
電話に出た方(本人の可能性もあります)が、「どちらの田中さんですか?」と尋ねて来た場合には「田中事務所です。」とお伝えます。あくまでも法律事務所である旨は伝えないようにしていました。
連絡が付かないまま、もしくは連絡は付いたが借入者が約束の日に入金をして来ない場合は、再度督促の電話を架け、訴状を郵送することになります。
ここまで来ると、借入者自身が弁護士を立てて和解に向けて話し合いを進めることになります。
また、例にあげた田中法律事務所で回収ができなかった場合、クレジットカード会社の判断により別の法律事務所に受任されることもあります(もちろん、その逆もありますが)。
受任された法律事務所に連絡を取る前に、ご自身で弁護士に相談することを強くお勧めしておきます。
・最後にカードローンを利用する際には、早期に返済できるように計画を立てた上で借り入れを行なうことがもっとも重要になります。